Liven 8bit Warpsの感想大発表会

前に手に入れたSonicwareのLiven 8bit warpsですが、

随分お気に入りになっていて、

改めてレビューとかしてみようかなと思い、ここに至ります。

 

Livenシリーズにかかわらず、どうもYoutubeのレビューとか、

各種サイトの記事とか見ても、知りたかったポイントがなかなか触れられていないのが

もどかしいんですよね。

そういう事もあって、自分なりの解釈を入れながらレビューしてみます。

 

 

まあ、まずは作っているSONICWAREさんのサイトがありますので、ご紹介を。

ja.sonicware.jp

 

【だいたいのイメージ】

ざっくり乱暴に言うと、
減算式シンセが乗ってる、
4trルーパーと1trシーケンサーのグルーヴボックスです。

4trルーパーといいつつそのうちの1trは外部入力専用なので、
単体機としては3trしか使えないっていう(笑)

シーケンサーはあるので4trとして使うことはもちろんできます。

このルーパーが本当に面白くて気に入っています!

 

【8bitについて】

さて8bitってあの音でしょって思っていると、
意外とそういう音にはなりません。
というか意図的に狙わないとそういう音にならないんですよね。

というのも、普通に音を作ると、
音量変化もフィルターも通ってしまうから普通のシンセ的な音が作れてしまっているんですよね。

 


【音源構成について】

結構買う前にわからなかった部分で、使ってみてわかったのですが、
シンセとしては、少し機能が簡単になっています。


OSC(Detuneあり、PitchにLFOかかる)
 ⇒ Amp(EGかかる)
 ⇒ Filter(Resonanceつき。LFOかかる)


そのうえで、このOSC部分に、Warp、Attack、Morph、FMが選べます。

Warp :2つの波形を混ぜる
Attack   :2つの波形を切り替える A⇒B。
    MorphのようにB⇒A⇒Bのような動きはしない。
Morph :2つもしくは3つの波形を時系列でモーフィングさせる。
FM         :2OPのFM。LFOかかるので遊べる。


なお、ノイズジェネレーターはないです。
また、PitchとFilterのLFOはサイン波で共用となります。

とはいえ、パラメータロックががんがんかかるので、
あまり困んないというのはすごく強調しておきますね(笑)

 

【エフェクト】

エフェクトはディレイとかコーラス、フランジャー、ビットクラッシャーなどが
あります。

あと、音の出口にリバーブがついていますが、
ルーパーからリバーブに流し込めるかどうかの調整はできませんでした。
外部入力はできるみたいですが(ひょっとしたらやり方あるのかな)

 

ちなみにカセットシミュレーターがリバーブの中に入っていたり
(リバーブじゃないけど笑)

 

シーケンサー

シーケンサーは1trです。
難しいことは、ルーパーとやりましょうという仕様です。
ステップシーケンサーなので、どうやったって勝手にクオンタイズされます。


またパラメータロックが使えるのがすごく面白くて、大体の面白いことはできます。
なお音源方式、例えばWarpをAttackやFMに変えるという事はできませんが、
その中のパラメータを変更することはできます。

 

【ドラムトラックについて(打ち込み編)】

実は難関なのがドラムトラックです。
ピッチにEGないし、ノイズジェネレーターもない。
音作りができなくてもう発狂しそうですよね(笑)

まあ、プリセットパターンもあるし、迂回しちゃってもよいところですが、、、。


この辺り、(多分イギリス人でSonicwareと契約してそうな)
クリスさんやSonicwareの遠藤さんがYoutubeで述べていたりするんですが、
やっぱりオリジナリティ出したいところなので、
ざっくり音作りの方法論を示しておきます。

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1.ドラムトラックを1トラックで作りこむシーケンスでは、
 同時発音(例えばキックとスネア)はなしと考える。

2.基本的にはどんな音でもドラムトラックとして成り立つ。
 そして、以下のような表現をしない限りドラムトラックとして成り立たない。

⇒低い音程でのスイープダウン:キック
⇒キックよりも高い音程でのスイープダウン:スネア
⇒高い音程でのスイープアップ、もしくはPitchLFOなど:ハイハット

3.基本となる音を作るか作らないかを決める。
 FMで高い倍音を出しながらLFOかけて少しでも複雑な音を作るのもありだし、
 パラメータロックを駆使して、各音で別の音を作るのもあり。

4.パラメータロックで、フィルターやPitchLFOなどで、音を追い込む。

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ここまで書いて思いましたが、
これ、普通の人なら脳みそ死にますね・・・という事で以下をご覧ください。

 

【ドラムトラックについて(リアルタイム編)】

 

上記のように複雑なことをしなくても、
実はプリセットパターンからオリジナルのリズムは作れるというのがここからのお話。

プリセットパターンを選びつつ、スタッターで演奏してアレンジしたものをルーパーに記録できるんです。
これすごく楽。

ちなみにこれを応用してドラムを遊んでみたりしたのが下の動画。

 

youtu.be


【ルーパー】

もちろんシンセをそのまま手弾きしながらルーパーに流し込んでも行けますが、
基本的にはルーパーにシーケンサーで音を流し込んでいくイメージです。

これでさらに面白いのがパターンシーケンサーのパターンを連結させることが出来て
さらにルーパーに1trずつ流し込んでいけるという、
説明しててもよくわかんないことが出来ます(笑)


例えばですが、
ドラムシーケンス⇒ベースシーケンス⇒リフシーケンス⇒メロディシーケンス
というようにパターンを連続して再生するとします。


その時に、
ドラムシーケンス⇒ルーパー1tr
ベースシーケンス⇒ルーパー2tr
リフシーケンス⇒ルーパー3tr
メロディシーケンス⇒シーケンサーで鳴ったまま

という事になるんですね。


そして実際に再生している音を聞くと、
ドラムパート
⇒ドラム+ベースパート
⇒ドラム+ベース+リフ
⇒ドラム+ベース+リフ+メロディ
となって、これ普通のリミックスじゃんみたいになります。

 

 

すごっ(心の声)

 

 

 

さらに外部入力つないでおけばルーパー4tr目も使えるから、
控えめに言って強すぎです。

 

まあ、ちょっと残念なこともあって、
ルーパーは音量、パン、ミュートしか操作できないというところもありますが、
なんとかなるでしょう。

 


【操作性】

癖があるとか巷で言われているところもありますが、
正直、自分には癖は感じなかったです。

ただ、Livenシリーズは機種ごとに操作性が異なっていたりするので、
そこは気にしたほうがいいかもしれません。

操作性に関連して、鍵盤にはベロシティついていないので、そこはご注意を。
でも、ベロシティはつまみで弄る仕様なので、問題なかったです。

 

ちなみに遊んだ動画も貼っておきますね。

 

youtu.be

 

 

さて、今日はここまで。

仲間増えてほしいなあという願いも込めて、興味ある人は是非ご検討くださいー!

 

 

 

 

 

 

KORG M1についての音の存在感についての考察

最近、KORG M1の音を検証するようなトラックを作ってみました。

 

youtu.be

 

youtu.be

 

 

FL Studioを使って録音していて、ドラムやFXはFLでやっていますが、それ以外はすべてM1を使っています。

改めて、ソフト音源とは違うハード特有の音の存在感の強さを感じましたし、戦える音にも思えます。

(プレイは除く、、、というのも手弾きでやっているので、、ああすみません笑)

 

しかしなぜハードの音は強いのだろうと考えると、

なかなか奥深い興味が出てきました。

以降はいくつか検証をしてみました。

 

 

とりあえず低音が出る。

ベースのEQより

 

これはベースです。

ちょっとEQかかってはいるのですが、低音がしっかり出てますし、

周波数もきれいに出ている気がします。

あと、ひとつ気になったのは、整数倍音以外がちょっと鳴っている感じがあって、

そのあたりしっかりした存在感に貢献している気がします。

 

 

すごく薄めのサチュレーションがかかっている?

ピアノのEQより

 

これはM1ピアノのEQなのですが、10kを超えたあたりに少しだけ波が出ているのが見えますか?

そして、10kまでのところはしっかり音が出ているのがわかります。

ここら辺は、ソフトウェアとかとは少し違う感じかなと。

 

 

多分、この2つのポイントを考えると、音の出口の部分のコンバーターの性能が抜群なのでしょうなという推論が立ちます。

 

やっぱり80年代90年代のあたりのシンセの強さを感じているんですが、特にこういうコンバーターなどの部品の強さにポイントがある気がするんですよね。

 

やっぱりRolandD50とかYamahaDX7とかもそうなんですかね。。

あの時代のシンセを今鳴らす価値って意外とあるような気もしています。

 

 

 

最後にもうひとつ、ピアノを鳴らすとよくわかるのですが、大きな音を出すとサンプリングノイズが乗っている気がするんですよね。あまり気づかないレベルですが、グルーヴも出すには十分だと思います。

そんなこんなも魅力なのかなと思いつつ。

ではまた。

 

 

 

 

 

 

FL Studio用のシンセを作ったので、無料公開します。

新年あけましておめでとうございますというには、

遅すぎる今日この頃、

皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

等と白々しい挨拶をしたくなるところではありますが、

それはさておき。

 

FL StudioのPatcher用のシンセプリセットを作ったので、無料公開します。

まずは、動画のほうから。

 

https://twitter.com/beatnicster/status/1612013287297912832?s=20&t=I1OvLF5sl56E6K6yG-NxIQ

 

 

 

さて、外観はこんな感じになります。

 

Resynth 2x

 

ダウンロードは下記から。

Resynth 2x.fst - Google ドライブ

 

 

 

簡単に紹介すると、2オシレーターのシンセです。

元となっているのは3xOSCで、これをPatcherで使えるようになったのは、

FL Studio21の公開のおかげですね、ほんと。

3xでは、エフェクトがついていないので、

ChorusとDelayをつけています。

この辺りは、とにかくシンプルを目指しています。

 

また、波形選択はマトリックスで選んでいます。

X軸方向はOSC1、Y軸方向はOSC2です。

まあ、直感的にグリグリして音を探す使い方でよいかなと思っています(笑)

 

 

ところでこのシンセは、2オシレーターの簡単なアナログシンセのようですが、

OSC2には、Randomizerがついています。

これはテンポ追従で、波形がランダムに変化するというもので、

かなり強いと思います。

 

もしよければ、使用後の感想なども教えてくださいね。

それではまた次回に~

 

 

 

 

 

 

FL Studio21アップデートの感想をふわっと

ちょっと前に、自分が使っているメインDAWであるFL Studioが21にアップデートしました!

 

基本的にユーザーは無料で恩恵にあずかれるのはいいですね(ライフタイムの人なので)

 

個人的にはひたすらLoveという気持ちしかないFLの機能について、

簡単に感想を触れていこうと思います。

 

21の目玉は、基本的にエフェクトかなと思います。

LuxeVerb、Multiband Delay、Vintage Phaser

どれも強力・・・。

正直、他社のプラグイン利用しなくてもいいんじゃないのか、

と思っちゃうほどです。

そのあたり、DAWとしての囲い込み戦略なのかなとも思えますし、

かなり完成度が上がっている印象です。

 

Luxeverb

 

今回一番良いなと思ったのは、このリバーブです。

このアプデの前に買った、iZotopeのNeoverb購入を後悔するほどよかったですね笑

 

かなりいろんなことができるのですが、

もともとついていたReeverb2やConvolverにデフォルトでなかった、Plateがプリセットにあるのが好感触でした。

自分の耳だと、これで十分。

さらにエフェクティブなリバーブもかけられるから、すごく便利で早速煮詰まっていた曲にガンガンかけています。

 

(これはAll Plugin Editionに入ってたはず。バージョン上げたくなる人も出てきたのでは)

 

Multiband Delay

 

これもよかったです。

飛び道具でありながら、違和感なく使えるというのがいいです!

これはLuxeVerbもそうですが、リバーブやディレイといった基本機能を元にしているからでしょうね。

ちょっとしたアクセントにもいろいろ使えるから、すごく便利。

 

 

Vintage Phaser

 

ビンテージをいまいち音がよくわかってない人ので評価しづらい部分ではありますが、

雰囲気でよく使っています。

Vintage Chorusもあるので、それ系で作ったんでしょうね。

 

 

 

Patcherの拡張


Patcherを拡張して、3xOscやDX10が使えるようになったのは地味にうれしいんですよね。

やはり旧Verからのシンセはエフェクトがかかっていないので、使い勝手が少し悪い面もあったりします。

そこでエフェクトをつないでおくなどの対応がしやすくなるなと。

 

 

お茶にごしではありますが、年末、寒かったりしますがあったかくお過ごしくださいねー。

 

 

 

 

 

サンレコのミックスコンテスト2022やってみた感想戦(後編)

前半はこちら。

 

beatnicster-music.hatenablog.com

 

 

 

ではここから感想を。


難しいことはできないし差もわからない人なので、あくまで現時点の自分の耳ではとなりますが、結構シンプルなミックスでそこそこきちんと仕上がるというのは、実感として持てました。

 

色んな本や記事を見たりしてても自作曲のミックスで打ちひしがれてきましたが(笑)
きちんとした音、アレンジという前提で、あまり難しいことをしなくてもまとまったのは大きな成果に感じます。

 

いらない帯域をばっさり削ったり、帯域ごとにバランスよく左右に配置していったり、パートごとの音像を広げすぎないことや、音量やEQやショートリバーブで組み合わせて奥行きを作ることだったり。

 

しかもこれをやるにあたり、有料プラグインを使わずにそこそこできたというのもよかったなと思います。有料のものならば最短だったり、クオリティが高いという事もあるのでしょうが、現時点の自分のやれるレベルからは背伸びすることもあるのかもと感じました。

 

一方怖いなと感じたことは、音楽的な理解度がミックスの重要な要素なのかもという点です。

例えば、パラデータのイントロに808キックが高音も残ったまま入っているのですが、これは808独特の音のアクセントをつけたいのか、それとも低音を出した際の静かな高揚感を出したいのかという判断は大きな分かれ道になる気がします。

また今回のドラムとベースでグルーヴを作りつつそれに対比する上ものという構図も、(曲調を知っているではなく)このような音楽の構造を知っているか知っていないか、そしてその際に何をするべきかを投げかけられたようにも感じました。

 

そして、自分でミックスをして改めて思ったのは、エンジニアの方々の大変さでした。
音圧の高さは、音圧競争という言葉が少し廃れてきてはいますが、今もってあるのでしょうしそれに対応できるミックスをしなければならないのだろうなと思います。また記事でそれぞれのエンジニアの方が自分の得意なアプローチを示していたのも、個性や技術を示せないと生き残れない業界なのだろうとも思います。
(さらにいろんなリクエストに対応するのかと思うと、相当ですね・・・。)

 

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最後に、ミックス作業をするときのコツを、
今回のコンテストを通して発見したものも含めてシェアします。
(役立つかわからないので、すみません…。)

  • ミックス時に、マスターにマスタリングコンプを挿して作業している方は多いと思います。

    僕はミックス完成が近づくと、その後の段に(あえてマスタリングOzone Elementsを挿して、AIアシスタントでマスタリングをかけてそのEQ補正の結果を見ています(Ozoneはそのままで使うとうちのPCでは重いので通常は外していて解析用とすることが多いです)

    EQバランスがよければあまり補正かからないと考えて、判断軸のひとつとして使っています。

  • 色んな再生環境で聞くべき、という事もあり、DOTECのDeeSpeakerが無料なのでよく使っています。

    ただ、M/Sを多少混ぜるだけでもほぼ代替できそうだなと思って、僕はM/Sを混ぜて作った自作のスピーカーシミュレーターとイヤフォンシミュレートを入れ込んだ自作のプラグインプリセットを使ったりもしています。

     

    beatnicster-music.hatenablog.com

     


    FLではそのように自作できるのですが、他DAWでもそのようなものを作っておいてもよいかもしれないです。


  • 今回の作業で意外とよかったなと思ったのが、ミックスしていない状態での2mixを作って、それを初期時点でのリファレンスにするという事でした。

    この利点は2つあって、ひとつ目はミックス前の段階でアレンジの粗を確認出来ること、ふたつ目はよくなっていく経過を確認することが出来ること、があります。

    思いつきのアイディアでしたが、今後試していくかもとは思っています。

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さて。
このコンテストもひと段落したので、自作曲作りにでも戻りますね。。。

ではまたー。

サンレコのミックスコンテスト2022やってみた感想戦(前編)

サンレコを見ていたら、ミックスコンテストをやっており、
たまにはやってみるかと取り組んだら意外なほど収穫があったので、
それを振り返ることも含めて記事にしようと思います。
(ちなみに入賞することはないと思います笑)

 

 

 


元々ミックスは得意でないほうなのですが、
何度も自作曲をミックスするうちに色々な気づきも出てきて、
それを確認してみるか、というのが発端です。

 

いくつかよい気付きを得ていて、
①現時点での自分のミックス手法は、それなりには通用しそう。
 -EQ、コンプ、リバーブ等の基本の使い方
 -奥行きの作り方
 -音の配置
②そこまでのツールがなくとも、ある程度戦えるレベルのミックスはできそう。
 -今回はほとんどFL Studio20、少しだけNeoverbとRBassで味付け。
③ミックスって、音を混ぜるだけじゃなくて、音楽的な理解が必要なんだよな、当たり前ながら。
④その他感想として、ミックスエンジニアって業界的に大変なんだろうな・・・。
というあたりです。

 

 

 

作業の流れ

①とりあえず制作側のインタビューやプロ4人の作業記事を読む。
②(プロの音は聞かないまま)パラデータを並べて聞く
③パラデータを2mixにしたものをリファレンスに、ミックス作業する
④ミックスがある程度仕上がった段階で、プロ4人のミックストラックを聞いて比較
 音圧調整など最終的なマスタリングをする

 

 

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①とりあえず制作側のインタビューやプロ4人の作業記事を読む。


だいたい記事で感触を探ったという感じですが、
しいて言えば、曲をどう作っていたのか、プロエンジニアの作業内容はなんとなくわかったけど、、、特にドラムのかぶりの話、音入れ替え、中域の混雑回避の話は頭に入れましたが、ま、聞いてみないとね、という感じです。

 

 

②(プロの音は聞かないまま)パラデータを並べて聞く

聞いてみると、意外なほど音が成立していたというのがびっくりしました。
きれいに周波数が並んでいるという。
ただ課題もよく見えてきて、イントロ、ベースとドラムのリズム、中域の処理が試されているなとわかりました。
あと、大体のミックスの方向性もほぼここで決まってて、
アーティスト側のこの時点での作りたい方向を再現するという事を目指すことにしました。

 

③パラデータを2mixにしたものをリファレンスに、ミックス作業する


ここで具体的な作業に進みます。

  • レファレンスとして②の2mixを使いました。
    一般的な目標とするレファレンスを置くのではなく、もとの2mixがどれだけよくなったのかを確認していくような作業をしました。

  • ドラムのかぶりが~と記事にあり確認しましたが、僕はほとんど気にならなかったです。
    また、このタイプの曲だと、ドラムとベースのパートごとの音量差が変わるとグルーヴが出にくいと経験的に感じていたので、ドラムは出来るだけ微調整程度に留めました。

  • ベースは、トランジェントを少し処理して、薄くディレイもかけました。
    これは聞いたときにベースとドラムは録音時点ではある程度の音処理もされていてグルーヴしてたはずだが、パラデータとした際はその味付けを消してフラットなものを渡したのではと推測したためです。

  • 全体的に、中低域のあたりを少し膨らませる処理をしています。
    中高域が混雑している指摘が記事にありましたが、僕はこの曲のグルーヴの肝は、ベースとドラムの絡み vs 上もの・コーラスにあると感じました。そしてこの対比により必要以上に上ものが混雑しているように聞こえるのではと考えました。そのためあまり上ものを分離させるというところには注力しませんでした。

    一方中低域は、対比を際立たせる面でも密度が少し薄くて、またベースに休符が多いので空隙が出来てしまう印象があり、中低域は少しだけ埋めると判断しました。

  • コンプはいくつかのトラックには使いましたが、あとはマスターでマルチバンドコンプを使ったくらいです。
    多くのトラックが整っている印象で、トラック単位で音圧上げてしまうとバランスが崩れそうで、またロングトーンにわざわざかけるのも趣味じゃないというのもありました。

  • 前後感は、音量、EQのハイ落とし、ショートリバーブを組み合わせてつけていて普通のことしかしていません。

  • パンとEQはそれなりに整理しました。
    低域から高域まで、左右両方とも綺麗に鳴るように配置しました。
    あと、パートごとのステレオ感分離は、隣のパートを邪魔しそうなら狭めました。
    これも普通のことしかしていないですね(笑)

  • メインボーカルのリバーブにだけ、Neoverbを使っています。
    それ以外はDAW標準搭載のリバーブです。
    頑張れば、Neoverb使わなくてもやれるかもと作業途中には感じましたが、意地ははらずNeoverbを採用しました。

  • マスタートラックには、RBassで薄く低域を補強して、マルチバンドコンプをかけて音圧を上げていました。

    そこに音圧チェック用にYouleanのフリーのラウドネスメーター、スペアナ代わりのEQ、あと音質解析もかねてOzone9 ElementsでマスタリングアシストをかけるとEQがどのようにいじられるのかも確認しています。

    またスピーカーシミュレーターとして、DOTECのフリーのDeeSpeaker、NX OCEANWAY Nashvilleを使い確認しました。

    なおここでは自作のモニタリング&メータリングプラグインプリセットも使っています。

     

    beatnicster-music.hatenablog.com

     

 

④ミックスがある程度仕上がった段階で、プロ4人のミックストラックを聞いて比較
 音圧調整など最終的なマスタリングをする


プロの方々のミックスを聞いてみましたが、ものすごく音圧が高くて驚きました。
自分のミックスの音圧を上げる作業をここからしましたが、
音圧を上げるとゆがみそうな中相当苦労しました。
結局プロの方の-1LUFSくらいで落ち着けました。

一方自分のミックスとプロの方のものを比べると、自分の耳ではまあまあ聞けるもので、自分のミックスが一番自分の好みだなという事で安心しました。

 

 

前編は大体ここまで。

後編は気づいたこと、あと作業上のコツなどの話をします。

FL Studio Patcher用のアコースティックピアノのプリセットを公開します。

連投となりますが、FL StudioのPatcher用のアコピのプリセットをシェアします。

かなりシンプルですが、鳴りはよいと思います。

名前はResynth Acoustic Pianoです。

 

Resynthというのは、温故知新のように前からあるプラグインに手を入れると、

こんなに使えるんですよ、ってことを示したかったためです。

 

 

このプリセットの土台はFL Keyです。

今となってはかなりチープですが、少し手を加えるとかなり音がよくなります。

CPU消費が少ないこともあり、スケッチ用としても使えると思いますので、

是非お使いください。

 

drive.google.com

 

使用後の感想などあれば、また教えてください!!