サンレコのミックスコンテスト2022やってみた感想戦(後編)

前半はこちら。

 

beatnicster-music.hatenablog.com

 

 

 

ではここから感想を。


難しいことはできないし差もわからない人なので、あくまで現時点の自分の耳ではとなりますが、結構シンプルなミックスでそこそこきちんと仕上がるというのは、実感として持てました。

 

色んな本や記事を見たりしてても自作曲のミックスで打ちひしがれてきましたが(笑)
きちんとした音、アレンジという前提で、あまり難しいことをしなくてもまとまったのは大きな成果に感じます。

 

いらない帯域をばっさり削ったり、帯域ごとにバランスよく左右に配置していったり、パートごとの音像を広げすぎないことや、音量やEQやショートリバーブで組み合わせて奥行きを作ることだったり。

 

しかもこれをやるにあたり、有料プラグインを使わずにそこそこできたというのもよかったなと思います。有料のものならば最短だったり、クオリティが高いという事もあるのでしょうが、現時点の自分のやれるレベルからは背伸びすることもあるのかもと感じました。

 

一方怖いなと感じたことは、音楽的な理解度がミックスの重要な要素なのかもという点です。

例えば、パラデータのイントロに808キックが高音も残ったまま入っているのですが、これは808独特の音のアクセントをつけたいのか、それとも低音を出した際の静かな高揚感を出したいのかという判断は大きな分かれ道になる気がします。

また今回のドラムとベースでグルーヴを作りつつそれに対比する上ものという構図も、(曲調を知っているではなく)このような音楽の構造を知っているか知っていないか、そしてその際に何をするべきかを投げかけられたようにも感じました。

 

そして、自分でミックスをして改めて思ったのは、エンジニアの方々の大変さでした。
音圧の高さは、音圧競争という言葉が少し廃れてきてはいますが、今もってあるのでしょうしそれに対応できるミックスをしなければならないのだろうなと思います。また記事でそれぞれのエンジニアの方が自分の得意なアプローチを示していたのも、個性や技術を示せないと生き残れない業界なのだろうとも思います。
(さらにいろんなリクエストに対応するのかと思うと、相当ですね・・・。)

 

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最後に、ミックス作業をするときのコツを、
今回のコンテストを通して発見したものも含めてシェアします。
(役立つかわからないので、すみません…。)

  • ミックス時に、マスターにマスタリングコンプを挿して作業している方は多いと思います。

    僕はミックス完成が近づくと、その後の段に(あえてマスタリングOzone Elementsを挿して、AIアシスタントでマスタリングをかけてそのEQ補正の結果を見ています(Ozoneはそのままで使うとうちのPCでは重いので通常は外していて解析用とすることが多いです)

    EQバランスがよければあまり補正かからないと考えて、判断軸のひとつとして使っています。

  • 色んな再生環境で聞くべき、という事もあり、DOTECのDeeSpeakerが無料なのでよく使っています。

    ただ、M/Sを多少混ぜるだけでもほぼ代替できそうだなと思って、僕はM/Sを混ぜて作った自作のスピーカーシミュレーターとイヤフォンシミュレートを入れ込んだ自作のプラグインプリセットを使ったりもしています。

     

    beatnicster-music.hatenablog.com

     


    FLではそのように自作できるのですが、他DAWでもそのようなものを作っておいてもよいかもしれないです。


  • 今回の作業で意外とよかったなと思ったのが、ミックスしていない状態での2mixを作って、それを初期時点でのリファレンスにするという事でした。

    この利点は2つあって、ひとつ目はミックス前の段階でアレンジの粗を確認出来ること、ふたつ目はよくなっていく経過を確認することが出来ること、があります。

    思いつきのアイディアでしたが、今後試していくかもとは思っています。

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さて。
このコンテストもひと段落したので、自作曲作りにでも戻りますね。。。

ではまたー。

サンレコのミックスコンテスト2022やってみた感想戦(前編)

サンレコを見ていたら、ミックスコンテストをやっており、
たまにはやってみるかと取り組んだら意外なほど収穫があったので、
それを振り返ることも含めて記事にしようと思います。
(ちなみに入賞することはないと思います笑)

 

 

 


元々ミックスは得意でないほうなのですが、
何度も自作曲をミックスするうちに色々な気づきも出てきて、
それを確認してみるか、というのが発端です。

 

いくつかよい気付きを得ていて、
①現時点での自分のミックス手法は、それなりには通用しそう。
 -EQ、コンプ、リバーブ等の基本の使い方
 -奥行きの作り方
 -音の配置
②そこまでのツールがなくとも、ある程度戦えるレベルのミックスはできそう。
 -今回はほとんどFL Studio20、少しだけNeoverbとRBassで味付け。
③ミックスって、音を混ぜるだけじゃなくて、音楽的な理解が必要なんだよな、当たり前ながら。
④その他感想として、ミックスエンジニアって業界的に大変なんだろうな・・・。
というあたりです。

 

 

 

作業の流れ

①とりあえず制作側のインタビューやプロ4人の作業記事を読む。
②(プロの音は聞かないまま)パラデータを並べて聞く
③パラデータを2mixにしたものをリファレンスに、ミックス作業する
④ミックスがある程度仕上がった段階で、プロ4人のミックストラックを聞いて比較
 音圧調整など最終的なマスタリングをする

 

 

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①とりあえず制作側のインタビューやプロ4人の作業記事を読む。


だいたい記事で感触を探ったという感じですが、
しいて言えば、曲をどう作っていたのか、プロエンジニアの作業内容はなんとなくわかったけど、、、特にドラムのかぶりの話、音入れ替え、中域の混雑回避の話は頭に入れましたが、ま、聞いてみないとね、という感じです。

 

 

②(プロの音は聞かないまま)パラデータを並べて聞く

聞いてみると、意外なほど音が成立していたというのがびっくりしました。
きれいに周波数が並んでいるという。
ただ課題もよく見えてきて、イントロ、ベースとドラムのリズム、中域の処理が試されているなとわかりました。
あと、大体のミックスの方向性もほぼここで決まってて、
アーティスト側のこの時点での作りたい方向を再現するという事を目指すことにしました。

 

③パラデータを2mixにしたものをリファレンスに、ミックス作業する


ここで具体的な作業に進みます。

  • レファレンスとして②の2mixを使いました。
    一般的な目標とするレファレンスを置くのではなく、もとの2mixがどれだけよくなったのかを確認していくような作業をしました。

  • ドラムのかぶりが~と記事にあり確認しましたが、僕はほとんど気にならなかったです。
    また、このタイプの曲だと、ドラムとベースのパートごとの音量差が変わるとグルーヴが出にくいと経験的に感じていたので、ドラムは出来るだけ微調整程度に留めました。

  • ベースは、トランジェントを少し処理して、薄くディレイもかけました。
    これは聞いたときにベースとドラムは録音時点ではある程度の音処理もされていてグルーヴしてたはずだが、パラデータとした際はその味付けを消してフラットなものを渡したのではと推測したためです。

  • 全体的に、中低域のあたりを少し膨らませる処理をしています。
    中高域が混雑している指摘が記事にありましたが、僕はこの曲のグルーヴの肝は、ベースとドラムの絡み vs 上もの・コーラスにあると感じました。そしてこの対比により必要以上に上ものが混雑しているように聞こえるのではと考えました。そのためあまり上ものを分離させるというところには注力しませんでした。

    一方中低域は、対比を際立たせる面でも密度が少し薄くて、またベースに休符が多いので空隙が出来てしまう印象があり、中低域は少しだけ埋めると判断しました。

  • コンプはいくつかのトラックには使いましたが、あとはマスターでマルチバンドコンプを使ったくらいです。
    多くのトラックが整っている印象で、トラック単位で音圧上げてしまうとバランスが崩れそうで、またロングトーンにわざわざかけるのも趣味じゃないというのもありました。

  • 前後感は、音量、EQのハイ落とし、ショートリバーブを組み合わせてつけていて普通のことしかしていません。

  • パンとEQはそれなりに整理しました。
    低域から高域まで、左右両方とも綺麗に鳴るように配置しました。
    あと、パートごとのステレオ感分離は、隣のパートを邪魔しそうなら狭めました。
    これも普通のことしかしていないですね(笑)

  • メインボーカルのリバーブにだけ、Neoverbを使っています。
    それ以外はDAW標準搭載のリバーブです。
    頑張れば、Neoverb使わなくてもやれるかもと作業途中には感じましたが、意地ははらずNeoverbを採用しました。

  • マスタートラックには、RBassで薄く低域を補強して、マルチバンドコンプをかけて音圧を上げていました。

    そこに音圧チェック用にYouleanのフリーのラウドネスメーター、スペアナ代わりのEQ、あと音質解析もかねてOzone9 ElementsでマスタリングアシストをかけるとEQがどのようにいじられるのかも確認しています。

    またスピーカーシミュレーターとして、DOTECのフリーのDeeSpeaker、NX OCEANWAY Nashvilleを使い確認しました。

    なおここでは自作のモニタリング&メータリングプラグインプリセットも使っています。

     

    beatnicster-music.hatenablog.com

     

 

④ミックスがある程度仕上がった段階で、プロ4人のミックストラックを聞いて比較
 音圧調整など最終的なマスタリングをする


プロの方々のミックスを聞いてみましたが、ものすごく音圧が高くて驚きました。
自分のミックスの音圧を上げる作業をここからしましたが、
音圧を上げるとゆがみそうな中相当苦労しました。
結局プロの方の-1LUFSくらいで落ち着けました。

一方自分のミックスとプロの方のものを比べると、自分の耳ではまあまあ聞けるもので、自分のミックスが一番自分の好みだなという事で安心しました。

 

 

前編は大体ここまで。

後編は気づいたこと、あと作業上のコツなどの話をします。

FL Studio Patcher用のアコースティックピアノのプリセットを公開します。

連投となりますが、FL StudioのPatcher用のアコピのプリセットをシェアします。

かなりシンプルですが、鳴りはよいと思います。

名前はResynth Acoustic Pianoです。

 

Resynthというのは、温故知新のように前からあるプラグインに手を入れると、

こんなに使えるんですよ、ってことを示したかったためです。

 

 

このプリセットの土台はFL Keyです。

今となってはかなりチープですが、少し手を加えるとかなり音がよくなります。

CPU消費が少ないこともあり、スケッチ用としても使えると思いますので、

是非お使いください。

 

drive.google.com

 

使用後の感想などあれば、また教えてください!!

FL Studioでマスター用のメーター&モニタリングプリセットを作ったのでシェアします。

以前よりFL Studioの作業時のマスターでのサウンドチェックがかなり煩雑だなと思い不満を抱えていたのですが、この度Patcherを使ってシンプルなプリセットを作りました。

こちらフリーで公開しますので、必要に応じご利用ください。

 

名前はSPECとしました。

 

https://drive.google.com/file/d/1JFidE67BZimaALBqMvgjATIZN-EqOZwd/view?usp=share_link

 

 

 

 

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こちらはPatcherのプリセットとなります。

マスターの最下段に配置する必要があります。


機能は大きく分けてふたつです。

①メーター(画面左側と右下)
Mid/Sideのレンジごとの平均ピーク表示と、全体のピークと定位表示ができます。

※こちらは入ってきた信号をそのまま表示しているため、②のモニタリング環境は影響しません。


②モニタリングシミュレーション(画面右上)
スピーカー、イヤフォンや、そのほかいくつかの状況を簡単にシミュレーションできます。

-6db:音量を下げます。大きな音で聞くとついついよく聞こえるというのを避けるためのものです。
Cheap EQ Effect:イヤフォン特性を適用します。(iPhoneのイヤフォン特性をまねています)
Reverb Effect:部屋鳴り的なリバーブがかかります。
Separation:左に回し切ると、バイパス状態の定位感、60-70%でスピーカー、100%でモノラルになります。
Reflection Suppression:回せば回すほど残響を押さえます。

 

特に②はちょっとコツがいるので、簡単なレシピをご紹介します。

小さな音で確認したい⇒-6dbを点灯させて、必要に応じ他を調整してください。
イヤフォンの聞こえ方⇒Cheap EQを点灯の上、Separationは左に回し切って、Reverb EQは非点灯。
スピーカーで少し部屋鳴りする⇒Cheap EQは非点灯、Reverb点灯、Separation60%、Reflectionを70%くらい。

これらはざっとしたイメージなので、必要に応じ調整ください。

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もしよければ、ご感想など頂けると幸いですので、よろしくお願いします!!!

ミックス備忘-ミックス時の奥行き感について

個人的な備忘です。公開することによりたまに思い出す狙い。

(必要に応じてツッコミください)

 

 

奥行きは一般的に音量、ハイのEQ落とし、ショートリバーブで調整。

 

音量については、ボリュームかコンプでアタックを早める感じ。

 

単純に音量だけ、EQだけといった調整だと嫌みっぽい気がするので、複数の組み合わせが良さげ。

 

キックやベースは、低域だから後ろに聞こえそうなものだけど、音量で前に出る、出す感じ。

FL使いならWave Candy利用していたりするんでしょうか?

最近FLを使っていて、大きな再発見だったWave Candyについて、備忘の意味も含めて書いていきます。


FLに限らずDAW使い、音楽制作であれば、視覚的に音圧をチェックしたり、EQをチェックしたりすると思うのですが、それをまとめて出来るというのがWave Candyです。

長いあいだ勝手な思い込みで、ずいぶん使いづらいと感じていましたが、
何のことはなく、かなり使いやすいので、そのあたりを書いていきます。

 

 


やれることは4種類。
-オシロスコープ(波形を見れるもの)
-スペクトラム確認(周波数帯域を見れる)
-メーター(ピークや音圧を見れる)
-ベクタースコープ(ステレオ感を見れる)

ただ僕がよく使うのは、メーターとベクタースコープです。
(周波数は、Parametric EQ2で見るほうが見やすいもので)

 

 

 

ベクタースコープはこんな感じ

ベクタースコープはMaximusとかを使いながら音像を広げていたりしています。


あと、最近すごく使うのがメーターです。
メーターは、RMSやピーク、VUもありますが、LUFSはないのは注意(アプデ来るのかな、ここ)
特にVUメーターは最近のヘビーユースです。

 

VUメーター


見やすさに関してのTips

Appearanceは、Visible、Backgroundは最低限点灯させておく。
表示画面はどこか邪魔じゃないところに置いておく。
そして、何かいじるときは表示画面を右クリック!

 

表示画面を右クリックしたところ

これ見てわかるように、オシロスコープや何やらと画面表示をここで変えられるんです。
さらに細かく設定を変えたいとき(例えばVU表示をピークにするとか)はView Settingsを選ぶと設定画面がでる。

すごく便利なので、もしよろしければ、皆さんもご利用ください。

microKORG XL+を買って改めて37鍵ミニシンセの魅力を語るお話(後編)

ずいぶんな時間ブログ更新が経ってしまって、なんとも言えない感じではありますが、しれっとブログ更新をしようかなと考えている今日この頃です。

 

さて、前回のブログはこちら。

beatnicster-music.hatenablog.com

 

 

そうそう、microKORG XL+です。

世間ではまたいいシンセが出てきていたりしていますが、この人もかなり現役感漂っているのでよいと思います。本当に強い。

 


www.youtube.com

 

ここでは僕がその場で演奏した、Wurlitzerをば。

音は紹介しきれないほどありますが、簡単に言うとアナログ系も出るし、PCMも出るし、VPM=FMもできるしって感じで、オーソドックスに何でもやれます。

ま、ここら辺は、コルグさんのサイトを見てわかる話なのですが、、、

 

お伝えしたいのは、エディターのほうです。

 

 

microKORG XL+エディターメイン

いま、ちょうどメニューを開いているところなのですが、見えますか?

micro KORG XL+ だの、KORG USAだのというのが。

実は、microKORG XL+には、プリセットに乗っていないオフィシャルの音たちが、このエディターにバンバン入っているのです。

 

KORG UK ROADS

 

ほら、こんなRhodesプリセットになかったけど、、、みたいなのがバンバン見つかります笑

 

では、ちょっと細かいところで、カタログで見えないスペックで、お伝えしておきたいことをまとめておきます。

・VPM=FMは基本的に2OPです。ただ、それと合わせてSaw Pulse Triangle Sineなどを鳴らすことができます。これが1ティンバー単位で出来るので、最大発音数を損なうことなく、それなりのFMの音作りができます。ただ、FMについてはエンベロープをいじれないので、そこは弱点。

 

・上の話につながりますが、ティンバーを2つ使うことが出来るので、2OPを2つ並行する形になりますが疑似的に4OPとしても使えます。

 

・バーチャルパッチで、かなり色々モジュレーションを弄れます。これは実機でここまで計算しづらい気がするので、エディターがあったほうがいいかもというのはあります。でもなくてもOKって感じ。

 

アルペジエーターがティンバーごとに選べるんですよ。

例えば、ティンバー1は低音側、ティンバー2を高音側に配置して、左手だけアルペジエーターとかできるという事。もしくはティンバー1,2をレイヤーしちゃって、パッドがなりつつシーケンスピコピコみたいなことができます。

 

 

さて、そんなこんなではありますが、すごくおすすめなシンセなので、

検討中の方は是非!

では!